civBGにおける弱文明救済案とプレイレポ
civBGにおける弱文明バランス調整案
civBGを一年近く遊んできた結果として、弱すぎて使われないか使った人間が悲しむ文明が4つほどあった。そして一年間遊んでいてその4文明のどれかが勝ったのは2回しかみたことがない(そのうち一回は、最弱文明だけのゲームだった)
そんなわけで、少なくとも選んでもらえる程度に強くしてみることにした。
その弱文明とは、フランス・イギリス・インド・ズールーである。
1.フランス
フランスはもともと勝てなくはない文明だったし、一度文化勝利をしたのを見たことはあるが、器用貧乏という評価だった。そして修正はその器用さをもう少し伸ばそうという形になった。つまり以下のような能力だ。
1.戦勝点+2
2.社会制度+1
追加能力
3.ターン開始フェイズに文化カードを一枚引いてゲームを開始する
4.初期技術を陶器から官僚制に変更
これによって研究が僅かに早くなり、また社会制度の裏側をリスクなしに選べるようになった。状況次第で文明の方向を自在に転換できるようになった。
2.イギリス
イギリスは海の多さゆえに初期拡張で死にやすく、フィギュアを出せば技術が遅れ、絹を取って研究で追いつこうとすればフィギュアを開拓隊のように使える能力が死ぬという問題があった。また軍事ボーナスも一切無いため、収集しているフィギュアが他国から殴られたり、解体して哀しみを背負うことが多かった。改善案は以下のとおり
1.海を渡れる
2.軍隊フィギュアで収集可
追加能力
3.初期技術を海軍から工学に変更
これで序盤からフィギュアをたくさん出して、積極的な収集が行え、さらには軍拡も工学のおかげで効率よくできる。遺産もより効率的に建設できるし、陽の目をみなかった水道橋が生きる出番もくるかもしれない。
また工学自体が殆ど研究されない技術だったので、この技術の新田な使い道がみつかるかもしれない。
3.インド
インドは哀しみの文明だ。首都タイルは農業なしでも農業有りと同じ出力を出し、また首都に資源が一つしかない。軍事ボーナスもなく、農業のせいで拡張が失敗しやすく、また技術も遅れがちだ。そんな哀しみを打破するために、かなり豪華な改善案を盛り込んだ。
1.資源を任意の市場資源として使える
2.文化専念したときに資源から1文化
3.初期技術は農業
追加能力
4.メトロポリス化を任意のタイミングでできる。首都以外をメトロポリスにした場合、その都市を首都にできる。その際市壁は破壊され、以前の首都は地方都市になる(市壁は破壊される)
5.初期から小屋資源を2つ持つ(都市国家を引いた場合は、3文化として扱う)
初期から小屋があるおかげで、絹投げがノーリスクで可能になった。またメトロポリス化を任意のタイミングでできるおかげで、初期拡張が容易になり、メトロポリス化を地方都市で行う遷都システムは面白いことに使えそうだし、これで2番目の能力を上手く生かせそうだ。
4.ズールー
1.フィギュアは村を戦闘せずに調査できる(法律にコインは乗らない)
2.都市を建てるとき、周囲の小屋を収集する。
3.追加の砲兵部隊2
4.初期技術畜産
追加能力
移動力+1
ズールーはあまりに不遇だったために、軍隊フィギュアのみ移動力+2という案や、蛮族の村で法律コインが乗るという案も出たのだが、結果的に移動力+1は十分強力ということでこうなった。これで初期技術畜産を活かすことも容易になったと思うし、今まで死に能力だった砲兵+2も生きることだろうと思う。
いずれの改善も、初期拡張を助けるような形になっている。そしてcivBGは、序盤の立ち上がりさえ何とかなれば他文明に十分追いつけるのだ。まくりが可能なのは、最初から封建制を持つ日本のような文明だけだ。
他にも、普段余り有効に使われていない技術を活用するのも目的の一つだった。目標としたのは、スペインやギリシャを引いたときに、こっちを選んでもいいかな、と思える程度に強くすることだった。ゲーム自体が5~7ターンで終わる現状、理論上の最速勝利が7Tみたいな文明はゲームから外されているのと同じなのだ。
中堅文明であるローマは6T文化勝利が可能だし、アメリカは偉人の夢がある。ドイツは最速兵站学によるラッシュや、経済狙いが安定するし、中国の経済ビルドは高い安定性を誇る。ロシアのスパイ能力や初期技術の共産主義は強力だし、フィギュア追加のおかげで初期拡張も容易だ。
これらの中堅文明はこの強化によっても居場所を失っていないと思われる。しかしテストプレイが必要で、近いうちにその結果を書けると思う。
テストプレイの結果
1番手 イギリス あいだがわ
2番手 ズールー まっとり
3番手 フランス みかど
4番手 インド みじゅ
という手番になって始まったゲーム。フランスは最初から文化カードを、インドは資源と友好的な蛮族を持ってスタート。
最初の社会制度は
1番手 イギリス あいだがわ 自然宗教
2番手 ズールー まっとり 自然宗教
3番手 フランス みかど 平和主義・自然宗教
4番手 インド みじゅ 平和主義
いずれも初期拡張を重視した社会制度の選択。
フランスは最初の文化カードボーナスが意見交換で、早速インドから一方的に農業を取得。
序盤は全員順調な立ち上がりで、ズールー以外は2Tに二都市めを建設、3Tには第三都市を建設。
2Tにイギリス・ズールー間に国境策定を画策する。こちらとしては国境画定させて内政に励むつもりだったが、ズールーは譲らず。こちらは万里を取って防備を固めるつもりだったが、インドの行方不明によりフィギュアを森林→草原と動かされ、ハンマーが不足、いずれの遺産も素ハンマーで建てるプランを崩される。
3Tにはフランスは大灯台を建設、インドは万里を、そしてズールーはゼウス像を建設。これによってイギリスは軍事勝利狙いが厳しくなる。
4T開始時の状況は
イギリス…工学・騎乗・金属加工・灌漑・兵站学研究
フィギュアを5つ場に展開している 部隊数は3枚
ズールー…畜産・騎乗・金属加工・灌漑・君主政治
ゼウス像建築済み、アッティラ・初期ボーナスを含めた部隊数は9枚
フランス…官僚制・農業・法律・哲学・灌漑・君主政治
大灯台建築済み
インド…農業・騎乗・石工術・灌漑・騎士道
この時点で技術差はあってもL1技術1つであり、都市出しも最初に絹を取ったズールーが僅かに遅れたのみ。
4Tには動きが起こる。
一番手のインドはアトランティスを引き、宇宙勝利狙いの体制に移行する。
イギリスは部隊レベル格差があり、鋳金をズールーに取られないうちに攻撃を行う。兵舎数の関係から、戦勝点はズールーが+8点。
ここでイギリスはフランスから職務と名誉を貰う。
このターンイギリスは軍拡を行い、兵舎1つと部隊2枚を作成、内容は騎兵3・歩兵1・砲兵2
ズールーも部隊を9枚にし、さらに兵舎を建設。
イギリスはズールーの兵舎に滞在するフィギュアに向かい二回攻撃を行う。部隊を全て、もしくは2枚削るが戦勝点の壁に阻まれようかいいちたりないにより敗北する。ええいままよと近づけるもう一体のフィギュアも殴りこませるが、部隊を削られる。
結果的にイギリスは絹2枚と3商業点を奪われるが、ズールー部隊を6~8枚削る。こちらの損失は君主政治の絹によるものもあわせて3枚。研究は拡張政策の為にかろうじて遅れなかった。
4T研究フェイズ
ズールー→鋳金
インド→教育
5T開始
イギリスは合理主義で畜産・君主政治を獲得
フランスは帆走・畜産を取得
この時点での社会制度は
イギリス…自然宗教 拡張政策 合理主義
ズールー…自然宗教 合理主義 軍事伝統
フランス…変更しすぎてわからない。たしか都市整備平和主義組織宗教後援で、後援と合理主義を官僚制でくるくるしていた印象
この時点での外交関係としてはイギリスはフランスと協力(というか友好的な関係を結べる相手がフランスくらいしかいなかった)
フランスはイギリスに支援をわずかにしつつ全文明と友好関係を結ぶが、アトランティスを取る動きのためにインドとは敵対。
ズールーは対角のインドと協力関係を結びつつ、フランスとも友好的な関係を結んでいる。ズールーは敵対しているが、流石に3フィギュアを失ったことは辛く、このターンイギリスは和平交渉(土下座)を行う
イギリスは失った国力を保つべく軍拡に励み、兵舎をもう一つ建設、そして君主政治でズールーの部隊を1枚削る。これでズールーの部隊は残り2枚
ズールーは遠方よりの贈り物からの畜産効果でハンマー増幅、鋳金香料で文化を進めて君主様の誕生日万歳などによりハンマーを確保、3部隊を建設
このターンは土下座が功を奏してズールーの逆侵攻はなかった。この時点でイギリスの勝ち筋は基本的にないので、ワンチャン目指してインドに攻め込むことに確定。ズールーには徹底した土下座外交を決意するが、与えられる資源が商業点しかなく、実は商業点はこの世界余りまくっている。実際このターンズールーはフランスから11商業を貰っている。
フランスは哲学起動、文化を一気に進めていた印象がある。
イギリスはフランスから遠方よりの贈り物でコインを貰った
インドは教育起動で官吏取得
このターンの動きはフランスがアトランティス取得ここで盛大な打ち消し合いがあったように思う、ズールーはインド方面に軍を展開する。イギリスも部隊をインド侵攻に振り向ける。
研究は
イギリス→鉄道
ズールー→帆走
フランス→環境保護
インド→共産主義
6T開始
イギリスは軍産複合体にコインを1つ投資
インドは学校教育によりマスメディアを取得
ここで各国の勝利条件が概ねはっきりしてくる。
フランスは首都の文化を強化、13出力は祈って13文化くらい。
インドは宇宙勝利狙い。学校教育連続起動で宇宙を目指す。アトランティス取得できていればこのターンに勝利を確定させていたらしい。
イギリスはどさくさにまぎれてインド首都を落とせれば嬉しい。実際、初期の侵攻によって国力の大半を失っており、勝利につなげるのはほとんど不可能である。
ズールーはちょっとわからないとか言っているが明らかに拳をふりあげており、またゼウス像は陳腐化されたものの、アッシジ・大将軍により戦勝点を増強させかなり優位な状態である。
インドは7Tに26商業が研究フェイズで残れば勝利が確定する。それまでに一度でも戦勝点を失えば勝利は遅延する、という状況。
このターン、フランスは祈って偉人を使いまた首都で祈って文化を30点ほど稼ぐ。また哲学を起動し偉人を増やす。
インドは全土で資源を採集して学校教育
イギリスは軍拡するがズールーの破壊工作により兵舎が破壊されたため、ちょっと望み薄である。ズールーかインドのフィギュアを叩くか蛮族戦を行い、コインを軍産複合体に乗せ、原理主義を取得できれば幾らか希望はあるか
フランスはこのターン文化を盛大に進め、レベル3まで突入する。
イギリスは蛮族村をズールーに取られたためにズールーの背中を突くも、偉人・孫子によって敗北を喫する。
フランスもイギリスもズールーも部隊を差し向けている。
6Tの研究は、
フランス→コンピューター
インド→鋳金
イギリス→蒸気機関
ズールー→弾道学
ここに来て各国は戦争体制を取る。
7T目
インドは干ばつをフランスの香料に撃つ
フランスは文化を一気に進め、万里の長城を陳腐化する。
インドは資源を取って共通規格を取得
イギリスは部隊を一枚削り、首都で作った2フィギュアをインド近郊にワープさせる。
ズールーは鉄を取得、文化を進める。
移動フェイズ、フランスは移動を行うが、ユニットの移動が共産主義スパイにより止められる。インドは全部隊を各都市に戻す。
イギリスはこの時点で絶対に首都を落とせないので、第二都市を落として戦勝点と法律コインを稼ぎ、次のターンになんとかしようと決意するも、2フィギュアが単騎で特攻しても無為に終わる。インド最後の部隊は4・6の歩兵であり、イギリスの主力兵科騎兵では一切振れる事ができない。鉄をとっていれば削れた可能性はあるが。
そしてズールーは蛮族の襲撃をプレイし、インドの歩兵を削り取る
そして首都に攻めこみ
4・6砲兵 4・6砲兵 3・1騎兵+戦勝点10点によりインド首都の要塞+市壁+1兵舎の22点をぶちぬき制覇勝利達成
全体の感想としては強化された弱文明は何れも初期の拡張に於いて直接的・間接的にボーナスがあり、極めて立ち上がりが早く、研究も問題なくキャッチアップが図れていた。最終ターンに全員に勝ちの目がある状況は珍しいし、途中にもそれぞれが文明を生かせていたように思う。
特にイギリスとフランスはかなりシンプルで、楽しい調整になっていると思う。インドプレイヤーによればインドの動き出しは普段と変わらず、もう一押し欲しいということ。ズールーも軍事一辺倒なのが辛いと言っていた。
もし強化するならインドとズールーだろう。
しかし結果を見る限りインドもズールーも哀しみを背負うことはない様に思える。3T目にほぼ確実に第二・第三都市が建ちレベル2技術を研究できるインドというのは異様に恵まれているし、ズールーの移動力+1による機動力は周辺国家から見ればかなりの脅威だ。一方イギリスやフランスの能力は内政的なボーナスだが、本来の能力とも噛みあっており、非常に使いやすかった。