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I'm only sleeping

日記 雑記 思いつき ついったー https://twitter.com/1dgwa

ありふれた創造性

小説を書こうと意気込んで記録したが一週間ぐらいで挫折したというか、なんかいろんな予定がたてこみ酒が入りそれどころではなくなった。そしてFTLにはまりすべての時間がそこに飲まれていった。FTLローグライクゲームだ。シレンみたいな、というと大いに誤解があり、宇宙船が壊れないように資源を集め先に進み、ラスボスを撃破するのだがそこに行き着くまでにはかなりシビアな選択肢があり、イージーがハードで船員がしょっちゅう死ぬ。死に覚えゲーだ。はじめのうちは圧倒的なボスも繰り返すうちになんとなくコツがつかめてくる。その感覚はとても面白いのだけど、いつものゲームのくせである程度やるとなんだか飽きてきてしまう。特定の条件を満たすと新しい船が解禁されるのだが、基本的に概ね解禁できた上で、クリスタル船を解禁しようと一日中プレイしていた。正直言ってかったるい。大事な休みを無駄にしている気がする。無論ゲーム自体が何の生産性もない試みなのだが、それでも楽しんで夢中でやるのと特定の条件をみたすために機械にみたいにやるのはまた別な気がする。プレイレポを書こうと思ったのだが、プレイレポを書こうとするときに感じるジレンマの常として、プレイレポにしたいような内容のゲームをした時には夢中になって全く記録を取る気になれないのだ。civBGのプレイレポも似たようなところがあり、夢中になってできるゲームだとゲームに集中するがためにプレイレポを書く気力を失っていたりする。なんとなくぼんやりとしたプレイの興奮はあるのだが、具体的に何をしたかはゲームに熱中するあまり忘れてしまっており、下手すると使用文明さえも覚えていない。

 

先日虚宮さんと会ったのだが、現実に、親しく言葉を交わす仲で自分より圧倒的に本を読んでいる人間に会うのは初めてだったので(しかし友達の友達みたいなレベルだとそういう話は結構聞くので、何か比較優位の原則めいたものが働いているんじゃないかと疑問に思ったりする)圧巻された。そして大量の本を薦められた。これも何年ぶりだろうか。本に詳しい人間と神保町を巡ると恐ろしい数の本が溜まっていく。

虚宮さんとはまるでほんの趣味が違う。1980年台にどっぷりと嵌ってるいる人間で、上の世代の趣味をもろに受けているのだと言っていたけど、その彼の案内で古本屋を巡るとまるで違った場所に見えてくるのだ。俺は古本屋にある馴染みの作家を幾つか探すだけだけれど、彼はそこにしかないような、絶版になっている面白そうな小説を教えてくれる。とはいえまだ読んではいないのだけど。

 

これを消費できるのかと思い手を付けたのはひとまず柳下毅一郎『新世紀読書大全』クソみたいな本とSFの傑作がごちゃまぜになっている。っていうか本当にわけがわからない。ただひたすらに無駄な知識ばかりの宇宙が広がっている。『皆殺し映画通信』でもひたすらにクソ映画を切り捨てていたけど…。しかしこのクソ映画への愛は一体何なんだろう。

それから『フードトラップ』を読んだ。これは塩と砂糖と脂肪がいかに加工食品業界の要なのか、そしてそれがいかに近年インフレして、肥満を流行させたのか、さらにはそれに危機を覚えた企業が何をしようとしているかについて描いた本だ。ここに描かれているのは企業がそれらの物質を敵視される度に、いかにその目を逃れて砂糖や塩や脂肪を入れるかの攻防を描いている。たとえば脂肪オフ製品に黙って砂糖を入れ、糖分カット製品に黙って脂肪を注入する。そうやって一口ではやめられないような製品を注意深くつくりだす。煙草企業が多角化経営のために加工食品企業を買収したのも興味深い。

いずれにせよ、依存性を高めるような製品を作り出している企業のトップは殆どがそうした加工食品を口にしていないけれど、自分を正当化しているところには驚く(驚かない)

ダン・アリエリーの『ずる』はいかにして人間が自分を道徳的な人間だと思いつつ利益を得るためにごまかしを適度に行うかについて描いていた。そして不正を減らすための方策である誓約・著名・道徳心を呼び起こすもの・監視の4つがいかに無視され、厳罰化が今だに叫ばれているのは不思議に思う。実際米国の国税局でさえ署名を最初にさせることには反対だったようだ。不正によってもろに損害を被る保険業界もしかり。

スティーブン・レヴィットは『超ヤバい経済学』で人間は安価で効果的な解決策がきらいだからだって経済学者とは思えない結論を出していたけど、そこにはかなりうなずけるものがある。

その簡単で安価な解決策に対する軽蔑の研究は何かないんだろうか。

僕らがもてはやす創造性と、実際に世界を変える創造性の食い違いについて。いずれにせよ、単純で意外にすら思えない陳腐な解決がそこら中に転がっていると考えるべきなんじゃないかと思える。