I'm only sleeping

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すり鉢型空中都市

空中都市地下の端っこに僕の家はあるから、朝になるとゆるやかにすり鉢状に傾いた窓から下の世界が見える。今日は身体検査が行われる。そして何錠かの薬を貰う。それがあると一日はとても良くなる。貰った日に全部使う人もいるが、多くの人はとっておいて、休日とか、仕事が忙しくなった日に使う。窓は開けることができるし、飛び降りることもできる。地面はかなり遠いから、生きていることはできない。もし仮にパラシュートや何かを使って飛び降りたとしても、結果は同じだろう。街はもともとマイクロ波発電所だった。街の地下と言っていたが、地上はすべてソーラーパネルになっていてる。僅かな部分だけが耐熱ガラスに覆われたテラスになっていて、ときどき人は太陽の光を浴びることができる。

僕の仕事は観察者で、地上を眺めて記録することだ。雲が出ている日は、地上へと送り出したロボットが集めたデータを解析するし、雲が出ていない日は肉眼で眺めてみる。旧人類とおぼしきものが徘徊していたり、植物の異常繁殖など気になるポイントがあれば、そこにロボットを送り込む必要があると報告する。しばしばそれは冗長な報告書の形式をとる。時間が来ると仕事は終わる。基本的に残業はないし、仕事ができないような装置の故障が起きれば、それっきり解散となり、機械が直るまで仕事は休みになる。

 

今日は冷却装置が不安定な動作をするらしく、時間があいた。僕は街を散歩することにした。街は一番上の階にある。広場になっている。

 

人がまばらにいた。引退した老人たちと、学校に行く前の子供、そして母親。中央部には幸福薬があるから、それを服用して楽しんでいる人もいる。主に老人たちだ。一般的に仕事をしている人のためにあると思われている。