小説ばかり読んでいた。
ここ一週間ほどずっと小説を読んでいた。
衝動がやってきたんだ。ずっと本を読む必要があると感じた。物語で頭を破裂させるくらいにすればいいんじゃないかって思った。
だけど小説に関する何かをよどみなく書けるようになったわけじゃない。拙い感想しか書けなかった。わかったようなことを書こうとは思えなかった。頭を混沌とさせたかったんだ。
少し前、小説を書いていたら小説の書き方本にずいぶんと自分が囚われていることに気づいて、それで何とかしなきゃいけないと思った。その不自由さっていうのが、何で生まれたのかわからなくて、それで言葉にしようと思ったのだけど、わからないままだった。ここ一週間ほどでめいっぱいのサンプルを仕入れてわかったのは、小説の書かれ方は様々だということだ。なんともありふれていることだけど、何を描写するかは自由だし、それが筋に結びついている必要もなかったみたいだ。なんだかもっと自然に、実際には考慮の末であっても、そんなふうになっているのだ。
生活が完全に抜け落ちていた。小説を読む機械だった。少し状況は変わってきそうだ。何があるというわけではないのだけど。
一体自分が何をしようとしているのか、今はあまりわかっていない。
衝動を大切にしようと思った。
積ん読を取り出してきてずっと読んでいた。でもそろそろなんだか作業になっているようで、魔法が消えてしまいそうになっている。また少し変えてみる必要がありそうだ。