I'm only sleeping

日記 雑記 思いつき ついったー https://twitter.com/1dgwa

短編小説

静けさの街

その街は盆地にあって、閉じている。高速道路はここで行き止まりになるし、鉄道は走っていない。登山列車のようなものを走らせる必要があるのだけど、この街にはそれを走らせるほどの特別な何かがあるわけではないのだ。名物はある。だけどそれは人を呼ぶほ…

自己啓発本のなくなる日(冷凍睡眠者のための手引き)

彼らが、自己啓発本の著者たちが目的としたのは自分の習慣を変えることでした。そして仕事で成果を上げるのか、良い人間関係を築きあげるのか、いずれにせよ社会的な成功と呼ぶべき物を手に入れることを目指していました。彼らの著作のうち、幾つかのものは…

セルフ・タイムクエイク1

その男は高校時代に超能力や幽体離脱に興味があった。そういうものが実在してると考えたわけじゃない。勿論そんな期待が全くないわけではなかったが、時代はそういうものが存在することを許さなかったし、一部の雑誌を除けばテレビでさえ、そういったものを…

すり鉢型空中都市

空中都市地下の端っこに僕の家はあるから、朝になるとゆるやかにすり鉢状に傾いた窓から下の世界が見える。今日は身体検査が行われる。そして何錠かの薬を貰う。それがあると一日はとても良くなる。貰った日に全部使う人もいるが、多くの人はとっておいて、…

綿菓子の地下

ときどき地下に潜っていく。ふんわりとした部屋があって、僕はそこにこもる。空気は少し濁っている。明かりはないが、目を凝らすと坑道が見える。僕が掘った道だ。はじめはただの小部屋だったのだけど、僕が何度も潜って道を作り、幾つかの場所をひらけた場…