I'm only sleeping

日記 雑記 思いつき ついったー https://twitter.com/1dgwa

十字街

十字街6

二人がやっていたのを目撃したわけではないが、その雰囲気は濃厚で、そのけだるい空気とどことなく気まずい僕を見る目線が。同じ屋根の下に住んでいることから推察するべきだったのかもしれない。今になって考えてみれば思い当たる節はいくらでも思い当たる…

十字街5

「あいつがどうしてたかについては何も知らないの。なんかあんまり自分のこと語らないしね。私も誰かのカウンセラーのやる趣味はないし、そのまんまにしてるんだけど」そういう彼女の口ぶりは、どこか奇妙な風だった。それに普通の人は、カウンセラーやる、…

十字街4

時雨は団地にはいなくなっていた。部屋の中は相変わらず殺風景だった。彼女の寝室をノックしても声はなく、鍵も閉まっていた。「また探しに行ったみたいだな」安中はそうつぶやくとパソコンの電源を立ち上げた。「ちょっと探しに行ってきます。というと、好…

十字街3

外に出て、商店街に向かう。人通りはそこそこに多い。スーパーに入り、カゴを渡される。「食い物は惣菜と弁当。歯ブラシやら電池やらなにか必要な物があったら入れてけ」安中はそれだけ言うと手慣れた手つきでかごに惣菜を入れる。やけに揚げ物ばかりに偏っ…

十字街2

部屋の中はこじんまりとしていた。幾つかの棚があるが、そこの品物はなく、布団が敷きっぱなしなのが目立つ。台所は使われた形跡がなく、リビングのゴミ箱には雑多にコンビニ弁当が押し込まれている。激しいタイピング音と、銃が乱射される音がしてすぐに誰…

十字街1

旅先で昼過ぎに目覚めた。予定もないので十字路が延々と立ち並ぶ街を散歩していた。延々と歩きまわっているうちに街は郊外へと変わり住宅街が立ち並ぶ。碁盤状に立ち並ぶ街並みは延々と続いている。自分が映らない鏡で囲まれた世界のようだ。道はどこまでも…